「受け身の否定文(過去形)」を作る文法問題では、問題文の日本語が2種類出てきます。
(a) 「~されませんでした」
彼らはパーティーに招待されませんでした。
(b) 「~されたのではありません」
この写真は京都で撮られたのではありません。
英語では、(a)(b)ともに「受け身の過去形の否定文」になります。教える側から見ると、どちらもシンプルな文ですよね。
ところが、中学生の場合、「~されたのではありません」という日本語が出てくると、手が止まることが意外とあるのです。
「~されませんでした」という形の文は英語に直せるのに、「~されたのではありません」になると、つまずく。そういうケースがあるわけです。
なぜ難しいのか?
中学生がつまずいてしまう理由は、主に2パターン考えられます。
理由① 日本語の形につられて時制を迷う
(例)この写真は京都で撮られたのではありません。
一見すると、「撮られた」は過去、「ありません」は現在、のように思えてしまいます。
そのため、「過去? 現在? どっち?」とわからなくなりがちです。
その結果、次のような時制の間違いが起きることがあります。
× This picture is not taken in Kyoto.
理由② 日本語と英語を1対1対応で覚えている
「~されませんでした」という日本語を英訳する問題の場合は、子どもも「『~されました』を否定にすればいいんだな」と思いつきやすいでしょう。
そのため、〈was/were not + 過去分詞〉という形に、比較的たどり着きやすいはずです。
ところが、「~されたのではありません」という問題文の場合、「これは英語ではどう言うの?」と戸惑っても不思議ではありません。
「~されませんでした」とは違った言い回しなので、英語にする場合も、別の表現があるように感じられるからです。
2つの異なる日本語表現を、英語では1つの同じ言い回しで表せるースがあります。ですが、そのことを知らない中学生は、「日本語と英語は、1対1で対応している」と思いがちです。
そのため、「『~されませんでした』も『~されたのではありません』も、どちらも同じ受け身の否定文だ」ということに気づきにくくなるのです。
この手順で解くのがおすすめ
時制で迷ったり、日本語と英語を1対1対応で覚えたりする。そういう中学生の場合、次の3ステップで問題を解くのがおすすめです。
〈例題〉
この写真は京都で撮られたのではありません。
This picture ( )( ) in Kyoto.
【Step1】
「~された」まで英語にする。
この写真は京都で撮られた
This picture was taken in Kyoto.
↓
【Step2】
否定文なので、be動詞(was/were)の後ろにnotを入れる。
This picture was not taken in Kyoto.
↓
【Step3】(※穴埋め問題の場合のみ)
空欄の数に合わせて、必要であれば短縮形にする。
This picture (wasn’t)(taken) in Kyoto.
英文としては was not でも正しいですが、この問題は空欄が2つなので、wasn’t を使います。
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「~されたのではありません」という日本語全体を、受け身の否定文(過去形)に一気に変換するのではなく、
- まず「~された」までを英語にする
- あとから not を入れる
というのがコツです。
この方法なら、時制の問題も、1対1対応の問題もクリアできます。
教えるときのポイント
この解き方を教えるときのポイントは、「暗記を増やさない。文を組み立てる手順にフォーカス」です。
ここまで見てきたように、受け身の否定文(過去形)では、「~されませんでした」のほかに、「~されたのではありません」という日本語が出てくることがあります。
ですが、「~されたのではありません」に対応する英語表現を新たに暗記する必要は、必ずしもありません。
「~されたのではありません」という日本語を見て、「受け身の過去形の否定文だ」と気づかなくても、英文を組み立てる手順(上述)さえ知っていれば問題は解けるからです。
もし、次のように教えた場合、暗記する項目が増えてしまいます。
「『~されませんでした』は、受け身の過去形の否定文だよ。『~されたのではありません』も、同じように受け身の過去形の否定文だよ。」
「日本語と英語の組み合わせ」を2つ覚えるのは、子どもによっては大変ですよね。
まずは「文を作る手順」を優先する。そのほうが、学校の定期試験にも取り組みやすくなると思います。
まとめ
「~されませんでした」は英語に直せるのに、「~されたのではありません」で手が止まってしまう。そういう子どもたちがいます。
そのような場合、「~されたのではありません」に対応する英語表現を暗記するより、
- まず「~された」までを訳す
- 次にnotを入れる
という手順で問題を解くことをおすすめします。
