He isn’t play soccer.
Yuka doesn’t a teacher.
お子さんや生徒さんに英語を教えているとき、上のような間違いに出会うことはありませんか?
isn’t と doesn’t の使い分けは、英文法を習い始めた中学生にとって「大きな壁」のひとつです。
教える側も、「どう説明すれば理解してもらえるだろう……」と悩みますよね。
そこで、この記事では、
- なぜ isn’t と doesn’t をごちゃ混ぜにしてしまうのか?(原因)
- 勉強が苦手な子も理解しやすい「否定文の作り方」
- テストで迷ったときの「使い分けガイド」
……を、順を追って詳しく解説します。
なぜ、 isn’t と doesn’t がごちゃ混ぜになるの?
isn’t と doesn’t を混同してしまう原因は、おもに2つ考えられます。
①土台となる「肯定文」でつまずいている
そもそも肯定文を正しく作れなければ、否定文も正しく作れません。
否定文は、言うなれば「家のリフォーム」。肯定文という名の家をリフォームして、否定文にするのです。

ということは、まともな家(正しい肯定文)が建っていなければ、リフォーム(否定文への書き換え)はできません。
土台(語順)がグラグラだったり、柱(動詞)がなかったりする家では、リフォームどころではありませんよね。
②「動詞に注目する」というクセがついていない
否定文を作るというのは、「肯定文の動詞付近をいじって(操作して)、否定文に加工する」という作業です。
家のリフォームで言うと、「どこをいじるか」という工事箇所を特定し、そこに適切に手を加えます。
たとえば雨漏りを防ぎたいなら、屋根に防水加工を施しますよね。キッチンやトイレの壁紙を張り替えても意味がありません。
これと同じで、否定文を作るには、動詞に狙いを定め、動詞を適切にいじる必要があります。
それを理解していない子は、動詞とは無関係に、isn’t や doesn’t という「否定のパーツ」を雰囲気で使い、否定文っぽく仕上げようとしてしまうのです。
「ゆっくり3ステップ」で否定文を作ろう
上のセクションで見てきたように、isn’t と doesn’t がごちゃ混ぜになってしまう子には、大きく分けて2つの特徴があります。
- 土台となる「肯定文」をまだしっかり作れない
- 「動詞に注目する」というクセがついていない
原因が分かれば、対策はシンプルです。あせらずに、「ゆっくり3ステップ」で否定文を作る練習をしてみましょう。
練習のイメージとしては、「直行便」ではなく「経由便」を選ぶ感じです。
× 直行便(いきなり否定文にする)はNG
いきなり「否定文」を作ろうとすると、一度にいろんなことを考えないといけないので、混乱しがちです。

◎ 経由便(ステップを分ける)がおすすめ
否定文を書く前に、いったん「ふつうの文(肯定文)」を作ります。そうすれば頭の中をすっきりと整理できるので、目的地である「否定文」にたどり着きやすくなりますよ。

ぜひ、この「ゆっくり3ステップ」で進めてみてください。
Step1: まずは日本語をふつうの文に直す
まずは、日本語の否定文をふつうの文(肯定文)に直すところから始めてみましょう。
〈教え方の例〉
いきなり英語で否定文を作ろうとすると、頭がこんがらがっちゃうよね。だから、まずは日本語で「ふつうの文」に直してみよう。
たとえば「森さんは先生ではありません」という文なら、「森さんは先生です」というふつうの文に書き換えるんだ。
じゃあ、次の(1)と(2)を「ふつうの文」に直すとどうなるかな?
(例題) 英語にする前に、まずは日本語を「ふつうの文」に直してみよう。
(1) トムは有名ではありません。
(2) トムは納豆を食べません。
ここでのポイントは「子ども自身に考えてもらう」ことです。
つい大人が先回りして「『トムは有名です』だよね」と解説したくなりますが、そこはグッと我慢です。
「自分で考えて、手を動かしてみる」というプロセスを挟むだけで、驚くほど記憶に残りやすくなりますよ。
Step2: 英語でふつうの文を作ってみる
Step1で作ったふつうの文(下記)を英語に書き換えます。
(1) トムは有名です。
(2) トムは納豆を食べます。
このStep2は、なかなかハードルが高いですよね。苦戦する子もいるかもしれません。
お子さんのペースに合わせて、下の3つのポイントをおさらいしてあげてください。
- 英語の語順
- be動詞と一般動詞の違い
- 「三単現のs」のルール
※「語順」「be動詞と一般動詞の違い」の具体的な教え方は、下の記事で詳しく解説しています。
【中1英語】語順の教え方|基礎を教えるための4ステップ
(「語順」と「動詞の種類」が整理できると、バラバラだったパズルがはまるように、英語の仕組みがスッキリ見えてくるはずです。)
※「三単現のs」でつまずいている場合は、下の記事をのぞいてみてください。
ふつうの文(肯定文)という「土台」を丁寧に作っておくと、このあとのステップがぐんとラクになりますよ。急がば回れ、です。
Step3: 動詞をいじって否定文に変身させる
否定文を作るには、動詞に狙いを定めるのがポイントです。
そこで、まずはStep 2で作った英文(ふつうの文)の動詞を四角で囲んでおきましょう。
(1) Tom is famous. (2) Tom eats natto.四角で囲んだ動詞の種類(be動詞・一般動詞)を、この時点であらためて確認しておくと、否定文を作りやすくなりますよ。
動詞の種類を確認したら、いよいよ否定文を作りましょう。
作り方を教える方法を2通りご紹介します。お子さんに合いそうなほうを選んでみてください。
教え方① 定番バージョン
動詞の前後にdoes not や not を挿入する、というやり方です。
定番バージョン
●主語の後ろにbe動詞がある場合
→be動詞の後ろに not を置く。
↓
Tom is not famous.
(Tom isn’t famous.)
●主語の後ろに一般動詞がある場合
→一般動詞の前に does not を置く。一般動詞は原形(もとの形)にする。
↓
Tom does not eat natto.
(Tom doesn’t eat natto.)
教え方②「まるっと交換」バージョン
定番バージョンで否定文を習った場合、「文中に挿入するパーツ(not, does not)だけが記憶に残ってしまう」という子もいるでしょう。
特に、not が強く印象に残り、「とりあえず文のどこかに not を入れれば、否定文になる」と誤解してしまう子もいます。
そういう子の場合、「まるっと交換」バージョンで教えてみてはいかがでしょうか。
「まるっと交換」バージョン
●主語の後ろにbe動詞がある場合
→ be動詞 を be動詞 not というカタマリに、まるっと交換する( is を is not に交換する)。
●主語の後ろに一般動詞がある場合
→ 一般動詞 を does not 一般動詞の原形 というカタマリに、まるっと交換する。
「まるっと交換」バージョンの場合、「今あるパーツを、別のパーツにまるっと交換する」というアプローチです。
これなら、not(挿入する言葉) だけが記憶に残ってしまう、という事態を防ぎやすいのではないでしょうか。
また、not や does not を「動詞の前と後ろ、どっちに置くか」と、いちいち考える必要がありません。
さらに、たとえば eats を does not eat にまるっと交換することで、「動詞の付近だけをいじる」という感覚を持ちやすくなるはずです。
迷ったときのお守りに! テストで役立つ「使い分けガイド」
isn’t と doesn’t を使い分けるには、やはり文の構造をしっかりつかむことが大事です。
とはいえ、根本から理解するには少し時間がかかることもありますよね。「試験が明日なのに、まだ混乱してる!」というピンチのときもあるはずです。
そこで、ひとまず今の壁を乗り越えるための「使い分けガイド」もご紹介します。
文の仕組みにまだ自信がなくても、これを知っておくだけで、選択問題や穴埋め問題を解きやすくなりますよ。
テストで役立つ「使い分けガイド」
英文の中に「一般動詞の原形」があるかどうかをチェックしましょう。
●「一般動詞の原形」があるなら
→ doesn’t (does not)を選ぶ
●「一般動詞の原形」がないなら
→ isn’t (is not)を選ぶ
※原形とは、動詞に s や ing などがついていない「もとの形」のことです。
上のテクニックを使って、一緒に問題を解いてみましょう。
適切なものを選んだり、空欄を埋めたりしましょう。
(1) Takuya ( isn’t / doesn’t ) live here.
(2) Takuya ( is / does ) not live here.
(3) タクヤはここに住んでいません。Takuya _ live here.
【考え方】
いずれの場合も、文の中に live という「一般動詞の原形」がありますね。ですので、doesn’t (does not)を使います。
では、下はどうでしょうか?
(1) Yuka ( isn’t / doesn’t ) busy today.
(2) Yuka ( is / does ) not busy today.
(3) ユカは今日いそがしくありません。Yuka _ busy today.
【考え方】
busy(忙しい)は、一般動詞(動作を表す言葉)ではありません。いずれの文にも「一般動詞の原形」が見当たらないので、isn’t (is not)を使います。
文の仕組みに慣れるまでは、上のようなテクニックを「お守り」として持っておくのもひとつの手です。
まずは「解けた!」という自信をつけながら、少しずつ「be動詞の文」と「一般動詞の文」の違いに慣れていければ、理想的ですね。一歩ずつ、進んでいきましょう。
まとめ
isn’t と doesn’t がごちゃ混ぜになるのは、お子さんの頭の中で、「否定文」と「ふつうの文(肯定文)」がまだ結びついていないからかもしれません。
ぜひ、次のポイントを踏まえながら、否定文の作り方を教えてあげてください。
●まずは「ふつうの文」を作ってみる。
急がば回れ、です。まずは土台となる元の文をしっかり作ることが、正しい否定文を作るための近道です。
●動詞に注目する。
動詞に狙いを定め、動詞の種類(一般動詞・be動詞)をチェックします。
この2つを意識しながら否定文の練習をすれば、少しずつ「動詞の種類に合わせて形を変える」という感覚が身についてくるはずです。
ぜひ今日から試してみてくださいね。
