「am not / aren’t」と「don’t」が、ごちゃ混ぜになる。
“I am not play tennis.”と書いてしまう。
中学1年生が直面する「否定文の壁」に、教える側も「どう説明すれば……」と悩みますよね。
子どもたちが混乱するのには、明確な理由があります。
この記事では、つまずきの背景をひも解きながら、教え方のコツをご紹介します。
【対象となるお子さんの段階】
この記事は、否定文の基礎を固めたい方向けの内容です。「主語が He や She になると間違えてしまう」という場合は、次のステップへ↓
なぜ、否定文がごちゃ混ぜになるの?
中学1年生が混乱する理由は、大きく分けて2つあります。
●「音」から「理屈」への切り替え期だから
小学校の英語は、フレーズを「音やリズム」で丸ごと覚える学習が中心でした。
たとえば “I don’t like 〜” も、理屈抜きに「1つのカタマリ」として覚えればよかったのです。
一方、中学校では「文の仕組み(理屈)」を理解する必要があります。
でも、小学校で慣れ親しんだ「音モード」から、いきなり「理屈モード」へ切り替えるのは至難のワザ。大人の想像以上に高いハードルです。
理屈を考える習慣がつくまでは、どうしても感覚で否定文を作ってしまうのです。
●肯定文(土台)がグラグラだから
否定文を作るのは、元の肯定文(ふつうの文)を「リフォーム」する作業です。土台(肯定文)がグラグラでは、リフォームどころではありません。
否定文でつまずく子の多くは、そもそも肯定文において「一般動詞」と「be動詞」の区別があいまいで、”I am play tennis.” のような文を書いてしまいます。
この土台の不安定さが、否定文でのミスとして表面化しているのです。
急がば回れ! まずは土台(肯定文)を固めよう
否定文を作れるようになるには、まずは肯定文をおさらいするのが効果的です。
●一般動詞が先、be動詞は後回し!
おさらいのコツは、be動詞より先に、一般動詞を扱うことです。
一般動詞は「走る」「食べる」など、動作が具体的でイメージしやすく、子どももスムーズに理解できます。
一方、be動詞は日本語に訳しにくいため、理解しづらい言葉です。
まずは、わかりやすい「動作がある文」(一般動詞)から始め、そのあと「動作がない文」として be動詞を取り上げましょう。
- 動作があるとき: 一般動詞
- 動作がないとき: be動詞
「動作の有無」でルールを整理すると、子どもも使い分けやすくなりますよ。
※「肯定文の作り方」の詳しい教え方は、こちら↓
脳をパンクさせない! 否定文を作る「ゆっくり3ステップ」
否定文でミスをする最大の原因は、「いきなり否定文を書こうとすること」です。
頭の中は「動詞はどれ? 種類は? notとdon’t、 どっち?」と大忙し。脳がパンクしてしまいます。
作業を3つに分解して、1つずつクリアしていきましょう。
Step1: 日本語を「ふつうの文」に直す
日本語の否定文を、ふつうの文(~です・〜します)に戻しましょう。
〈教え方の例〉
英語で否定文を作ろうとすると頭がゴチャゴチャするよね。まずは日本語を「ふつうの文」に直してみよう。
たとえば「私は先生ではありません」なら、「私は先生です」に変えるんだ。
じゃあ、これはどうかな?
(1) あなたは東京の出身ではありません。
(2) あなたは英語を話しません。
なぜ、わざわざ日本語を直すのか?
それは、日本語で「ふつうの文」の形がハッキリ見えていないと、英語で正しい文を書くのは、さらに難しくなるからです。
日本語を「ふつうの文」に戻しておくと、否定文を断然作りやすくなりますよ。
Step2: 英語で「ふつうの文」を作ってみる
Step1で直した日本語を、英語に書き換えます。
(1) あなたは東京の出身です。
→ You are from Tokyo.
(2) あなたは英語を話します。
→ You speak English.
“You are speak English.”のようなミスが出たら、「この文に動作(動き)はあるかな?」とクイズを出してみてください。
- 動作があるとき: 一般動詞を使う(be動詞を混ぜない!)
- 動作がないとき: be動詞を使う
※肯定文の教え方は、前述の「急がば回れ! まずは土台(肯定文)を固めよう」を参考にしてください。
Step3: 動詞を変身させて「否定文」を完成させる
いよいよ仕上げです。ふつうの文を否定文に直しましょう。
ミスを防ぐコツは「動詞を四角で囲む」です。
You are from Tokyo. You speak English.ターゲット(動詞)を視覚化することで、「雰囲気で適当にnotを入れる」といったミスを防げます。
動詞の種類を再確認し、否定文のルール(次のセクション↓)に従って書き換えれば完成です!
否定文のルール: 選べる2つの教え方
お子さんのタイプに合わせて選べる、2種類の教え方をご紹介します。
定番バージョン
語順(配置)を意識した教え方です。「理屈で納得したい子」や「物事を順序立てて考えたい子」に向いています。
●be動詞があるとき: be動詞の「後ろ」に not を置く
You are from Tokyo.
↓
You are not from Tokyo.
(You aren’t from Tokyo.)
●一般動詞があるとき: 一般動詞の「前」に do not を置く。
You speak English.
↓
You do not speak English.
(You don’t speak English.)
この教え方だと not の印象だけが強く残り、「とにかく not を入れればOK」と勘違いしてしまう子もいます。
× You speak not English.
× You not speak English.
お子さんがこのパターンでつまずいているなら、次の方法で教えるのも手です。
「まるっと交換」バージョン
動詞を「否定用パーツ」に、まるごと入れ替える方法です。
「感覚で理解するタイプの子」「つい適当に not を入れてしまう子」に向いています。
●be動詞があるとき
be動詞 を be動詞 not に交換
●一般動詞があるとき
一般動詞 を do not 一般動詞 に交換
動詞そのものを否定用のパーツに「ガチャン!」と入れ替えるイメージです。
【良い点】
- 「not や do not をどこに入れるか」と迷わずにすむ。
- カタマリごと交換するため、doなどの入れ忘れを防げる。
テスト対策① 空欄の数
テストの穴埋め問題で難しいのが、「空欄の数」に合わせて「否定の形」を変えることです。
●空欄が2つ→ もとの形を入れる
You (do) (not) speak English.
●空欄が1つ→ 短縮形を入れる
You (don’t) speak English.
どちらか一方しか覚えていないと、「マスが足りない!」「マスが余った!」とあわててしまいます。
どちらのパターンでも答えられるよう、セットで練習しておくと安心ですよ。
テスト対策② 一般動詞があるか?
テストのとき、「am not / aren’t」と「don’t」の使い分けがわからなくなったら、次の2段階でチェックしましょう。
(1)一般動詞がある?
- ある(play, have, likeなど)→ don’t (do not)
- ない→ (2)に進む
(2)主語(だれが)をチェック
- Iなら→ am not
- you, we, they, 2人以上なら→ aren’t (are not)
※Miki and I → 2人なのでaren’t(are not)
(例)
I ( )( ) play soccer.
一般動詞 playがある→ do not
You ( ) a teacher.
一般動詞がない(動作がない)→ youがある→ aren’t
まとめ
お子さんが否定文で混乱したときは、次の3点を意識しながら、おさらいしてみてください。
●土台を固める
否定文の前に、まずは「ふつうの文(肯定文)」を書けるようにする。
●3ステップで進む
「日本語の肯定文 → 英語の肯定文 → 否定文」の順で一歩ずつ進む。
●動詞に狙いを定める
「動詞はどれ? 種類は何?」と考えるクセをつける。
「昨日教えたのに、また間違えてる……」と思ったりしますよね。
でも、子どもたちにとって一般動詞やbe動詞は、人生で初めて出会うナゾの存在。すぐに理解できなくて当然です。
何度も間違えては直すうちに、理解が深まっていくはずです。
「試行錯誤の真っ最中なんだな」と、どっしり構えて見守ってあげてくださいね。
