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比較の書き換えでつまずく意外な理由とは? 中学生への教え方

比較の文法は覚えたのに……なぜ書き換えでつまずく?
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比較の単元では、比較級や最上級、as~asを使った文の書き換え問題がよく出てきます。

(例)2つの文が同じ意味になるように、空欄に適切な語を入れなさい。
Ken is not as tall as Miki.
Miki is ( ) than Ken.

このような問題でつまずく子どもたちがいます。

つまずく原因は、単語や比較の文法を覚えていないからとは限りません。

たとえば次のような穴埋め問題を解くことができても……、

(例)
ミキはケンより背が高い。
Miki is ( ) than Ken.

書き換え問題になるとうまく解けないケースがあるのです。

なぜでしょうか?

もしかすると、英語の知識だけでは説明できないところで、つまずいているのかもしれません。

なぜ、書き換えでつまずくの?

主な理由は2つ考えられます。

「要するに、どういうこと?」がわかっていない

書き換えるには、まず元の文の意味を正確につかむ必要があります。

たとえば、

Ken is not as tall as Miki.
→ケンはミキほど背が高くない。

と訳し、「どちらのほうが高いのか、低いのか」を理解しなければなりません。

ところが、日本語に訳せても、「要するに、どっちがどうなのか」までは正確につかめていないこともあります。

文全体の意味を十分に考えなくても、下のような「型」に当てはめれば、日本語に変換できてしまうからです。

A is not as ~ as B.
↓
AはBほど~ではない。

すると、たとえば

「ケンはミキほど背が高くない」

と訳したとき、

「ケンとミキの背の高さを比べている」

と理解できても、「要するに、どっちがどうなのか」までは、つかめていないこともあるのです。

あるいは、

「ケンもミキも、背が高くない」

と誤解してしまう子もいるでしょう。

このように、元の文の意味がわからないと、何をどう言い換えればよいのかもわからず、書き換えに進めなくなってしまいます。

「じゃあ、こうも言えるな」に慣れていない

元の文の意味がわかっていても、「物事の見方を少しずらす」ことに慣れていないと、書き換え問題で苦戦することがあります。

「見方をずらす」とは、たとえばこんな感じです。

「ケンはミキほど背が高くない」
↓
じゃあ、こうも言えるな。
「ケンはミキより背が低い」
↓
こんなふうにも言えるぞ。
「ミキはケンより背が高い」

このように、書き換え問題では見方を少しずらして、「じゃあ、こうも言えるな」と考えることが求められます。

でも、見方をずらすことに慣れていないと、「ケンのほうが低い」とわかっていても、「ミキはケンより高い」と言い換える発想が出てきにくいのです。

教え方

「要するに、どういうこと?」がわかっていない。
「じゃあ、こうも言えるな」に慣れていない。

そういう子の場合、まずは日本語で比較関係を整理しましょう。そのあと、整理したことをもとに、英語での書き換えに入ります。

Step1 日本語で「要するに、どういうこと?」

「AはBより~だ」というシンプルな文と比べると、「AはBほど~ではない」といった文は、意味をつかみにくいことがあります。

まずは日本語で、「要するに、どういうこと?」と考え、文の意味を確認します。


〈教え方の例〉

「ケンはミキほど背が高くない」

これは、「ケンはミキの身長には届いていない」という意味だよ。

ケンとミキの身長を比べたイラスト。ケンはミキより背が低い。
簡単なイラストでOK! 身長差を描くだけでも、比較関係が伝わります。

ということは、ケンとミキではどっちのほうが背が低い?
→「ケン!」

「ケンはミキほど背が高くない」は、「ケンはミキより背が低い」ということだね。


このように、比較関係を目で見える形で示すことで、文の意味をつかみやすくなります。

Step2 「じゃあ、こうも言えるな」

Step1で整理したことを、「じゃあ、こうも言えるな」と、別の言い方で表します。


〈教え方の例〉

今度は、ミキについて言ってみよう。

ミキはケンより背が……?
→「高い!」

そう。「ミキはケンより背が高い」だね。

①ケンはミキほど背が高くない。
②ケンはミキより背が低い。
③ミキはケンより背が高い。

どれも言っている内容は同じだね。言い方だけが変わっただけだよ。


「同じことをこんなふうにも言えるのか」という経験を積んでもらうことが狙いです。

Step3 英語でチャレンジ!

いよいよ英語で書き換える練習に入ります。


〈教え方の例〉

さっき日本語で確認した3つの言い方を、英語でも表してみよう。

Ken is not as tall as Miki.

日本語にするとどうなる?
→ ケンはミキほど背が高くない。

結局どっちのほうが背が低い?
→「ケン」

「ケンはミキより背が低い」と言い換えられたね。では、英語ではどう言うかな?
Ken is ( ) than Miki.
→shorter

今度はミキについて言ってみよう。
Miki is ( ) than Ken.
→taller

①Ken is not as tall as Miki.
②Ken is shorter than Miki.
③Miki is taller than Ken.

どれも、同じことを別の言い方で表しているだけだよ。


これは、日本語で確認した比較関係を、英語の表現に結び付ける練習です。

最上級も同じ流れで

次のような最上級の書き換えでも、まず文の意味を正確につかみ、そのあと「じゃあ、こうも言えるな」と別の言い方を考えます。

(例)2つの文が同じ意味になるように、空欄に適切な語を入れなさい。

Soccer is more popular than any other sport in our school.
Soccer is ( ) ( ) ( ) of all sports in our school.


〈教え方の例〉

●Step1 日本語で「要するに、どういうこと?」

「私たちの学校では、サッカーはほかのどのスポーツより人気がある」

「ほかのどのスポーツより人気がある」って、どういうことかな? サッカーとほかのスポーツを1つずつ比べてみよう。

スポーツごとの人気を横棒グラフで比較した図。サッカーの棒が最も長い。
図で比較関係を「見える化」すれば、意味をつかみやすくなります。

棒グラフが長いほど人気があることを表しているよ。

サッカーは、野球より人気がある。卓球よりも人気がある。バスケや柔道よりも人気がある。

つまり、「サッカーはほかのどのスポーツより人気がある」とは、「どのスポーツと比べても、サッカーのほうが人気がある」という意味だよ。

●Step2 「じゃあ、こうも言えるな」

ほかのスポーツと1つずつ比べたら、毎回サッカーのほうが人気があったね。つまり、「いちばん人気がある」と言い換えることができる。

「私たちの学校では、サッカーはほかのどのスポーツより人気がある」
「私たちの学校では、すべてのスポーツの中で、サッカーがいちばん人気がある」

言い方は違うけれど、どちらも「サッカーがいちばん人気」という同じ内容を表しているね。

●Step3 英語でチャレンジ!

では、今の言い換えを英語でもやってみよう。

(a) Soccer is more popular than any other sport in our school.
(b) Soccer is ( ) ( ) ( ) of all sports in our school.

(a)はどういう意味かな?
→「私たちの学校では、サッカーはほかのどのスポーツより人気がある」

ということは、「いちばん人気がある」ということだね。

では、(b)には何が入るかな?
→ the most popular


このように、最上級の書き換えも、比較級やas~asのときと同じ考え方で取り組めます。

【補足】
書き換え問題では、テスト対策として覚えておくと役立つパターンもあります。

たとえば、〈比較級+than any other+単数名詞〉と〈the+最上級+of+複数名詞〉は互いに書き換えられます。こういうパターンを覚えておくと便利です。

ただし、文の意味を理解し、「じゃあ、こうも言えるな」と考える練習も大切です。意味を理解して言い換える力は、英作文にも役立ちます。

まとめ

比較級・最上級・as~asなどの文法を覚えていても、比較の書き換え問題で苦戦することがあります。

そんなときは、いきなり英語を書き換えようとするのではなく、次の流れで考えてみるのがおすすめです。

「この文、要するにどういうこと?」
↓
「じゃあ、こうも言えるな」
↓
「それを英語で言ってみよう」

まずは日本語で比較関係を整理し、同じ内容を別の言い方で表す練習をしてから、英語の書き換えに進んでみてください。