中学1年生に英語を教えるとき、be動詞と一般動詞、どちらから教えるべきか?
一般的には be動詞を先に教えることのほうが多いようです。教科書によっては、be動詞と一般動詞を対比させながら、同時進行で教える、というケースもあります。
ですが、私はあえて一般動詞を先に教えることをおすすめします。
なぜかと言えば、文法を学んでいく上での大きなメリットがあるからです。
この記事では、そのメリットを3つ取り上げ、詳しく解説します。
教える手順
「一般動詞から教えるメリット」は、「一般動詞・be動詞を教える手順」と深く関わりがあります。ですので、まずは手順について説明します。
私がおすすめする手順は、こちらです↓
〈おおまかな手順〉
① 一般動詞の文を教える
〈教えるポイント〉
- 動作(動き)を表す言葉を一般動詞と呼ぶ
- 〈主語→一般動詞→そのほか〉の順で単語を並べる
② be動詞の文を教える
〈教えるポイント〉
- 動作(動き)以外の話をするときは、be動詞を使う
- 〈主語→be動詞→そのほか〉の順で単語を並べる
③「動詞は1つだけ使う」というルールを教える
〈教えるポイント〉
- 動作(動き)の話をするときは、一般動詞だけを使う
- 動作(動き)以外の話をするときは、be動詞だけを使う
※詳しい手順&解説はコチラ↓
【中1英語】語順の教え方|基礎を教えるための4ステップ
では、なぜ be動詞より一般動詞を先に教えるといいのか? そのメリットを見てみましょう。
一般動詞から教えるメリット
一般動詞から教えるメリットは、3つあります。
1.「難しい!」という気持ちをやわらげやすい
小学校の英語の授業は、会話やゲームが中心ですが、中学校では文法が出てきます。
この大きな変化に直面して、「英語って難しい」と感じる子も多いでしょう。
ですが、be動詞より一般動詞を先に教えることで、難しいという気持ちを少しでもやわらげることができると思います。
それは、どうしてか? 一般動詞のほうが断然理解しやすいからです。
一般動詞はイメージしやすい
一般動詞は、基本的に動作(動き)を表す言葉です。
大抵の場合、「run = 走る」「eat = 食べる」のように、その単語を日本語にパッと置き換えることができます。
また、目に見える動作は視覚的にイメージしやすいため、子どもも単語の意味をつかみやすいでしょう。

be動詞はナゾの存在
一方、be動詞は日本語にない概念です。そのため、日本語にパッと置き換えることができません。
run → 走る
eat → 食べる
am → ??
また、たとえば am という語を見ても、一般動詞のように「パッとイメージが浮かぶ」ということがありません。

このようなbe動詞は、中学1年生にとって、つかみどころのないナゾの存在だと言えます。
理解しやすいことを先に教える
そこで、まずは一般動詞を教えます。そのあと、一般動詞を足掛かりにしてbe動詞の説明に入るのです。
〈説明の流れ〉
●まずは動作(動き)にフォーカスする。「動作(動き)を表す言葉」である一般動詞を教える。
↓
●「動作(動き)以外の話をする場合は、be動詞を使う」と説明する。
※詳しい教え方はコチラ↓
【中1英語】語順の教え方|基礎を教えるための4ステップ
このように、わかりやすいこと(=動作・動き)から入れば、子どもも必要以上に「難しい」と思わずにすむでしょう。
2.〈主語→動詞〉という語順を意識しやすい
be動詞より先に一般動詞を教えたほうが、〈主語→動詞→そのほか〉という英語の基本的な語順を、子どもが意識しやすくなります。
語順を意識するのは意外と難しい
中学1年生の中には、そもそも「言語には語順というルールが存在する」ということ自体に気づいていない、という子もいます。
語順を意識しながら文を書く以前の問題として、「単語を並べる順番というものがある」ということ自体を知らないのです。
小学校の英語では基本的に、フレーズを丸覚えすれば会話ができました。語順という概念を知らなくても乗り切れたのです。
そのため、中学校に入っても語順の概念に気づかないまま、という子も多いのです。
そういう子は、なんとなく感覚で単語を並べたり、(無意識に)日本語と同じ語順で単語を並べたりするでしょう。
「語順というものに気づき、語順を意識しながら文を書けるようになる」というのは、意外と難しいことなのです。
一般動詞の文なら語順を意識しやすい
そのような「語順」を子どもたちが意識しやすくするには、どうすればよいか? その答えが「一般動詞から教える」です。
一般動詞の文では、日本語の語順との違いがハッキリと出るため、語順という概念に子どもが気づきやすいからです。

一般動詞を使った文の場合、上のように、日本語と英語の違いを図でハッキリ示せます。語順の違いが目で見てパッとわかりますよね。
子どもも「語順というものがあるんだ」と、感覚的に気づきやすいでしょう。
そして「日本語と英語では語順が違う」ということを理解できれば、英文を書くときにも、語順に注意を払いやすくなります。
「〈主語→一般動詞〉という語順を意識するクセ」をつけやすくなる、というわけです。
be動詞から教えた場合
一方、be動詞から教えた場合、子どもは〈主語→be動詞〉という語順を意識しづらいと思います。
その理由は、be動詞の説明の仕方にあります。
be動詞については、「=」(イコール)の役目がある、と説明されることがよくありますよね。
I = busy
↓
I am busy.
be動詞には「イコール」の役目がある。主語と後ろの言葉をイコールでつないでいる。
ですが、イコールという説明は抽象的なので、ピンとこない子も多いのではないでしょうか。
「英文では I の後ろに必ず am が必要」と誤解してしまう子もいます。
また、「イコールの意味はわからないまま、とりあえず I am や you are と書く」という子も少なくないでしょう。
そういう子にとって、〈主語→be動詞〉という語順を意識するのは簡単ではありません。
※「イコールという説明は、なぜ難しいのか」について、もっと詳しく知りたい方は、下の記事をご覧ください。
be動詞の教え方。勉強が苦手な子に教えるなら、この方法!
一般動詞の文で「語順を意識するクセ」をつけておく
そこで、be動詞より先に一般動詞を教えてみてください。
その際、〈主語→一般動詞→そのほか〉という語順をリマインドしながら、英作文や穴埋め問題に取り組みます。「語順を意識する機会」をたくさん作ってあげるのです。
それに一段落ついたら、いよいよbe動詞の説明に入ります。
〈主語→一般動詞→そのほか〉という語順と対比させる形で、〈主語→be動詞→そのほか〉という語順を教えるのです。
「動作(動き)以外の話をするなら、〈主語→be動詞→そのほか〉」というルールをリマインドしながら、練習問題に取り組んでみてください。
このように、まずは一般動詞の文で「語順を意識するクセ」をつけておけば、be動詞の文でも語順に注意を払いやすくなるでしょう。
3.「I am play tennis 問題」を防ぎやすい
一般動詞から教えると、「I am play tennis 問題」も防ぎやすくなると思います。
「I am play tennis 問題」とは?
子どもたちは”I am play tennis.” “I am watch TV.”といった、文法的に誤った文を書くことがよくあります。
be動詞が不要なのに、主語の後ろに be動詞を入れてしまうのです。
条件反射で I am と言ってしまう
be動詞を先に教えた場合、この「I am play tennis 問題」が起こりやすくなると思います。
たとえば子どもが be動詞の役目もよくわからないまま、“I am Ken.” “I am from Tokyo.” などと繰り返し練習したとします。
すると、いつのまにか子どもの中で I am がひとカタマリになってしまいます。be動詞は意味のよくわからない存在だけに、「I の後ろにいつもくっついている付属品」という感覚になるのでしょう。
すると、一般動詞を習ったときにも、つい I am と言ってしまうのです。I と言ったあと、条件反射で am を付け足してしまう、というわけです。
一般動詞から教える
この「I am play tennis 問題」を少しでも防ぐには、
- 一般動詞の文を教える
- be動詞の文を教える
- 「動詞は1つだけ使う」というルールを教える
……という流れで授業を進めるのがおすすめです。
1と2は、上のセクションでお伝えしたとおりです。一般動詞の文で「語順を意識するクセ」をつけておき、そのあと be動詞の文の語順に入ります。
そして、それぞれの語順に子どもが慣れたところで、「主語の後ろに動詞は1つだけ置く」というルールを教えます。
- 「動作(動き)」の話をするなら、一般動詞だけを置く
- 「動作(動き)以外」の話をするなら、be動詞だけを置く
※詳しい教え方はコチラ↓
【中1英語】語順の教え方|基礎を教えるための4ステップ
このような流れで教えれば、条件反射で I am と書いてしまう、というのを少しは防ぎやすくなるでしょう。
まとめ
この記事では、「be動詞より先に一般動詞を教えること」のメリットを3つご紹介しました。
- 「難しい!」という気持ちをやわらげやすい
- 〈主語→動詞〉という語順を意識しやすい
- 「I am play tennis 問題」を防ぎやすい
とりわけ大事なのは「語順を意識しやすい」という点です。
語順は英語の土台です。語順を意識しなければ、ほかのどんなルールを覚えたとしても、文は作れません。
ですので、中学1年の早い段階から語順というものを認識し、語順に注意を払うクセをつけることが大事です。
そのためにも、ぜひ一般動詞から教えてみてください。
