長い説明は逆効果!その理由は?【中学英語の教え方】

長い説明は逆効果。その理由は? コラム

子どもに英語を教えるとき、「あれもこれも教えたい」と思うと、説明に力が入りますよね。

でも、「説明すればするほど良い」というわけではありません。説明が長くなると、子どもにとっては、むしろ学びにくくなってしまうのです。よかれと思ってした説明が、逆効果を招くことに……。

では、なぜ長い説明は逆効果なのか? どんな工夫をすれば、子どもが学びやすくなるのか? それについてお伝えします。

〈この記事のトピック〉

  • なぜ長い説明は逆効果なのか?
  • 説明するときの3つの工夫

なぜ長い説明は逆効果なのか?

説明が長くなると、なぜ子どもは学びにくくなるのか? その理由は、こちらです。

  • 話のポイントを見失う
  • 集中力が続かない
  • 教える側が子どもの理解度を把握しにくい

ひとつずつ説明していきますね。

話のポイントを見失う

長い話は、情報がてんこ盛りです。そのため、聞いているうちに子どもが話のポイントを見失ってしまいます。

次々に出てくる情報を整理できなくなり、重要な情報がそのほかの情報の中に埋もれてしまうのです。

たとえばサッカーをまったく知らない人が、プレーするためにルールを教わるとします。そのとき、細かいルールやウンチクまで長々と聞かされあと、ようやく練習に入ったらどうなるか?

おそらく「……で、結局何をすればいいの?」と困ってしまうでしょう。「ボールは手で投げるのではなく足で蹴る」という一番大事な情報さえ、記憶に残っていないかもしれません

このように、説明が長くなって情報が増えると、話のポイントを見失ってしまうのです。

集中力が続かない

長い説明を一方的に聞き続けるのは、大人にとっても苦行ですよね。集中力が切れ、ほかのことを考え始めたりするものです。「ラーメンが食べたいなぁ」とか。

大人でもそうなので、子どもの場合、なおさらです。そして集中力が切れると、「話は聞こえているけれど、頭に入ってこない」という状態になります。

教える側が子どもの理解度を把握しにくい

子どもが説明を理解したかどうかは、練習問題を解かせてみないとわかりません。ですが説明が長くなるほど、問題に取り組ませる時間は短くなり、理解度を把握するチャンスも減ってしまいます

また、「あれこれ一度にまとめて説明してから練習問題に入る」という教え方をすると、理解度をうまく把握できません。

練習問題で子どもがつまずいても、「説明のどの段階で理解できなくなったのか」がハッキリわからないからです。

ここまで見てきたように、説明が長くなると、子どもは学びにくくなってしまうのです。

説明するときの3つの工夫

では、学びやすくするためには、どうすればいいのか? 私が実際にやってみて手応えがあったのが、こちらです。

  • トピックを徹底的にしぼる
  • 核にフォーカスして教える
  • 「簡潔な説明」と「練習問題」をセットにする

トピックを徹底的にしぼる

1回の授業で取り上げるトピックを徹底的にしぼります。

たとえば肯定文・否定文・疑問文を全部一度に教えるのではなく、「今日は肯定文だけ」などと、トピックをしぼり込むのです。

「わざわざ言うことか?」と思うくらい単純な話ですよね。でも、実行するのは意外と大変なんです。つい、「あれもこれも説明して、あわよくば熟語も教えよう」なんて思ったりしますから。

でも一度にいろんなトピックを取り上げたり、教科書の広い範囲をカバーしたりしても、結局子どもは覚えきれません。そうであるならトピックをしぼりましょう。説明の時間が短くなり、子どもが情報を整理しやすくなりますよ。

核にフォーカスして教える

学びやすくするには、「核にフォーカスして教える」というのも手です。扱うトピックの「重要な部分」だけにフォーカスして教えるのです。

たとえば名詞の複数形を教える場合、「s や es をつける」というルールにフォーカスします。「fish や deer は、単数も複数も同じ形」とか、「f/fe で終わる語は、f/fe を v に変えて es をつける」といった例外は、削ぎ落としましょう。

また、受け身(受動態)を教える場合、〈be動詞+過去分詞〉や〈be動詞+過去分詞+by〉というルールにフォーカスします。〈be made of〉とか〈be made from〉といった特別な表現には触れません。

細かいことまで一度に教えると説明が長くなり、「何が核なのか」がぼやけてしまいます。

細かいことは、習熟度に応じてのちのち補足する。そのほうが、子どもにとっては学びやすいでしょう。核の部分に慣れた上で細かいことを教わったほうが、断然、理解しやすいですから。

教える側としては、あれこれ説明して「全部教えたぞ」という安心感を得たくなるものですよね。以前の私もそうでした。でも、そういう「教える側基準」で教えると、子どもが置いてけぼりになるかもしれません。

それに、「限られた時間ですべてを教え、理解させる」というのはそもそもムリです。腹をくくって核にフォーカスしましょう。

「簡潔な説明」と「練習問題」をセットにする

「長々と説明したあと練習問題に入る」とか「説明しただけで終わり」というのはオススメしません。

何かを簡潔に説明したら、すぐ練習問題に入ります。「簡潔な説明」と「練習問題」をセットにしながら英語を教えるのです。

たとえば説明することが2つあるなら、説明1→練習問題1→説明2→練習問題2、というふうに進めていきます。

このやり方には、3つのメリットがあります。

(1)
「自分で考えて解く」という機会がちょくちょくやってくるため、子どもが授業に飽きにくくなります。

説明を聞き続けると受け身になりがちなので、いつのまにかボーっとしていることがありますよね。でも問題を解く機会がちょくちょくあると、メリハリが出ます。

(2)
説明された内容の記憶が新しいため、「問題で何が問われているか」「何に注意して解くべきか」が見えやすくなります。

(3)
教える側が、子どもの「つまずきポイント」を把握しやすくなります。子どもが間違えたら、「直前の説明を理解していない」ということが、すぐわかりますからね。

ぜひ「簡潔な説明」と「練習問題」をセットにして教えてみてください。


丁寧に教えることは大事です。でも、だからといって説明が長くなると、子どもは学びにくくなります。この記事でご紹介した3つの工夫を、どうぞお試しください。

  • トピックを徹底的にしぼる
  • 核にフォーカスして教える
  • 「簡潔な説明」と「練習問題」をセットにする

最後までお読みいただき、ありがとうございました。