「疑問詞の教え方シリーズ」(全6回)の第2回へ、ようこそ!
このシリーズでは「英語が苦手な子に、疑問詞をわかりやすく教えたい!」という方のために、教え方のコツをご紹介しています。
この記事は「疑問詞の教え方シリーズ」の第2回です。ぜひ、先に第1回をご覧になってください。今回の内容がよりわかりやすくなると思います。
第1回 子どもがつまずく原因と対策
第2回 疑問詞の後ろにdo, doesが来るパターン(この記事)
第4回 Where do ~?とWhere is ~?などの使い分け
第5回 What time ~?やHow many ~?など
第6回 疑問詞を使った疑問文への答え方
今回(第2回)のトピックは〈疑問詞の後ろにdo, doesが来るパターン〉。〈Where do you live?〉など、疑問詞の後ろに〈一般動詞の疑問文〉が続いている文です。
英語が苦手な子も理解しやすいように、まずは〈Do you ~?〉という疑問文の復習から入りますね。
Step1 〈Do you ~?〉の復習
〈疑問詞を使った疑問文〉に入る前に、〈一般動詞の疑問文〉を復習しておきます。
〈教え方の例〉
次の文を「あなたは~しますか」という疑問文に書き直してみよう。疑問文を作るときには、まず主語の後ろに注目すること。
You play soccer.
You study English.
You swim.
主語 you の後ろにある play, study, swim は、どれも動作を表す言葉だね。
このように動作を表す言葉を「一般動詞」というんだ。動作はないけれど live や have も一般動詞に含まれるよ。
主語 you の後ろに一般動詞がある場合……、

you の前に do を置けば疑問文を作れる。

ひとつ注意したいのは、主語の後ろに一般動詞がある文の場合、〈Are you ~?〉という形は使えないということ。必ず〈Do you 一般動詞 ?〉という形にしよう。
説明のあとは練習問題に入り、子どもが理解できたか確認してみてくださいね。
日本語と同じ意味になるように、( )内の語句を並べかえなさい。ただし、不要な語が1つ含まれています。
1. あなたはサッカーをしますか。
( soccer / do / play / you / are )?
2. あなたは大阪に住んでいますか。
( are / you / in Osaka / live / do )?
【解答】
1. Do you play soccer?
2. Do you live in Osaka?
Step2 どんな文を作るのかを説明する
〈疑問詞を使った疑問文〉を教えるにあたり、どんな文を作るのかについて子どもに説明しておきましょう。その際「疑問詞」という言葉はまだ出さないでおくのがおすすめです。
「今日は疑問詞を勉強します」という説明から始めると、「ギモンシ? 何それ? 難しそう……」と思う子がいるかもしれません。
そして一旦「難しい」と思い込むと、必要以上に難しく感じてしまうものです。
ですので文法用語はまだ使わずに、「どんな文を作るのか」をざっくりと説明しましょう。
〈説明の例〉
今日はまず「場所のたずね方」について考えてみよう。たとえば ALT の先生に、住んでいる場所についてたずねるとするよ。
もし「もみじ町に住んでいるのかどうか」を知りたいなら、こう聞くよね。
あなたはもみじ町に住んでいますか。
Do you live in Momiji-cho?
でも、住んでいる場所を教えてほしいなら、こうたずねることもできる。
あなたはどこに住んでいますか。
「どこに」とたずねれば、「わかば町に住んでいます」「郵便局の近くに住んでいます」など、くわしい情報を聞き出せる。具体的に説明してもらえる、というわけだね。
今回は「どこに住んでいますか」のように、くわしい情報を聞き出すための疑問文を作ろう。
上のように説明すれば、子どもたちも「どんな文を作るのか」がイメージしやすいと思います。
Step3 基本形を紹介する
〈疑問詞を使った疑問文〉の作り方について、次のように説明されることがよくあります。
疑問詞 + do + 主語 + 一般動詞?
けれども上のような抽象的な説明から入った場合、子どもによっては理解しづらいかもしれません。
そこで、ひとまず〈Where do you live?〉という具体的な文から入りましょう。
そのあと live 以外の一般動詞も登場させ、〈Where do you 一般動詞?〉というパターンの文に取り組みます。(そのパターンを“基本形”とし、のちほどさまざまな疑問詞の文に発展させていきます。)
〈教え方の例〉
「あなたはどこに住んでいますか」とたずねる方法を勉強しよう。
英語の場合、まず「どこに」と言って、そのあと「あなたは住んでいますか」を続けよう。

〈Where do you live?〉の live をほかの一般動詞に変えると、いろいろな文を作れるよ。
Where do you study?
あなたはどこで勉強しますか。
Where do you play soccer?
あなたはどこでサッカーをしますか。
つまり、〈Where do you 一般動詞?〉という形で、「あなたはどこで~しますか」という意味になるんだ。

上のように、Step3では〈Where do you 一般動詞?〉という“基本形”を教えます。
そして、その基本形を足掛かりにして、where 以外の疑問詞を使った文を教えていきましょう(Step4)。
Step4に入る前に、下のような練習問題に取り組んでみてください。〈Where do you 一般動詞?〉という形に慣れることが目標です。
日本語と同じ意味になるように、( )内の語を並べかえなさい。
1. あなたはどこに住んでいますか。
( you / live / where / do )?
2. あなたはどこでテニスをしますか。
( do / tennis / where / play / you )?
3. あなたはどこで勉強しますか。
( study / do / where / you )?
解答
1. Where do you live?
2. Where do you play tennis?
3. Where do you study?
Step4 さまざまな疑問詞を登場させる
〈Where do you 一般動詞?〉という“基本形”を足掛かりにして、when / what / who / how を使った文を教えましょう。
〈教え方の例〉
〈Where do you 一般動詞?〉という文を作れば、「あなたはどこで~しますか」と場所をくわしくたずねることができた。
でも、ふだんの会話の中で誰かに「くわしく聞いてみたい」と思う事がらは、ほかにもいろいろあるよね。
- いつ~しますか。
- 何を~しますか。
- 誰を~しますか。
- どうやって~しますか。
こういう文を英語で作るには、「どこで~しますか」の「どこで」を、「いつ・何を・誰を・どうやって」という単語に置きかえよう。

where, when, what, who, how は「疑問詞」という種類の言葉だよ。疑問詞の後ろに〈do you 一般動詞〉を続けると、会話をしている相手からくわしい情報を聞き出せるんだ。
あなたはどこで勉強しますか。
Where do you study?
あなたはいつ勉強しますか。
When do you study?
あなたは YouTube で何を見ますか。
What do you watch on YouTube?
あなたは誰を尊敬していますか。
Who do you respect?
あなたはどうやって英語を勉強しますか。
How do you study English?
中学1年の1学期に出てくる疑問詞の単元では、一般動詞を使った疑問文の主語は基本的に you です。
ですので、まずは主語を you に限定し、〈疑問詞 do you 一般動詞?〉という形に慣れることをおすすめします。
下のような練習問題に取り組んでみてください。
日本語と同じ意味になるように、下線部に適切な語を入れなさい。
1. あなたはどこで勉強しますか。
_ _ _ study?
2. あなたは週末に何をしますか。(※する do)
_ _ _ do on weekends?
3. あなたはどのようにして学校へ来ますか。
_ _ _ come to school?
4.あなたはいつサッカーを練習しますか。
_ _ _ practice soccer?
5.あなたは誰を尊敬していますか。
_ _ _ respect?
【解答】
1. Where do you study?
2. What do you do on weekends?
※1つ目の do は、疑問文をつくるための do。2つ目の do は「する」という動作を表す一般動詞。見た目は同じだが役割が違う。……ということを説明してあげてください。
3. How do you come to school?
4. When do you practice soccer?
5. Who do you respect?
すでに3単現のsを習った子には……
すでに3単現のsを習っている子の場合、Step4のあとで you 以外の主語も登場させましょう。
「さまざまな疑問詞を使い分ける」というタスクと「do と does を使い分ける」というタスクを同時にやるのは、簡単ではありません。

ですので Step4にあるように、まずは主語を you に限定して疑問詞の文を作ってみてください。疑問詞の使い分けを練習するためです。
そして疑問詞に慣れたところで、do と does の使い分けも練習するのがおすすめです。
〈教え方の例〉
これまで作ってきた文の主語に注目してみよう。どの文も主語は you「あなた」だったね。
Where do you live?
When do you practice soccer?
次は、主語を you「あなた」以外に変えて文を作ってみよう。
あなたはどこに住んでいますか。
Where do you live?
↓
彼らはどこに住んでいますか。
Where do they live?
they を主語にする場合、疑問文の作り方は主語が you のときと同じだよ。
でも主語が Ken, he, she など「I・you以外で単数」の場合、注意点が2つあるんだ。

●注意点(1)
do ではなく does を使う。
●注意点(2)
ふつうの文の場合、主語が「I・you 以外で単数」なら一般動詞に s をつける。
(例) Ken lives in Osaka.
けれども疑問文の場合、一般動詞は原形(もとの形)にする。
日本語と同じ意味になるように、下線部に適切な語を入れなさい。do と does、どちらを使うかよく考えること。
1. エリはどこで勉強しますか。
_ _ Eri study?
2. 彼らは週末に何をしますか。
_ _ they do on weekends?
3. ケンはどのようにして学校へ来ますか。
_ _ Ken come to school?
4. 彼女はいつサッカーを練習しますか。
_ _ she practice soccer?
5. あなたは誰を尊敬していますか。
_ _ you respect?
【解答】
1. Where does Eri study?
2. What do they do on weekends?
3. How does Ken come to school?
4. When does she practice soccer?
5. Who do you respect?
まとめ
この記事では、〈疑問詞の後ろに do, does が来るパターン〉の教え方をご紹介しました。
特に大事なポイントは次の2つです。
●抽象的な説明から入らない。具体的な文から始める。
●〈Where do you 一般動詞?〉という“基本形”を足掛かりにして、where 以外の疑問詞を使った文を紹介する。
英語が苦手な子に教えるときに、参考にしてみてくださいね。
次回は〈疑問詞の後ろに be動詞が来るパターン〉の教え方についてお伝えします。下の記事でまたお会いしましょう。