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中1英語|疑問詞の教え方⑥疑問詞を使った疑問文への答え方

疑問詞を使った疑問文への答え方
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「疑問詞の教え方シリーズ」(全6回)の第6回へ、ようこそ!

このシリーズでは「英語が苦手な子に、疑問詞をわかりやすく教えたい!」という方のために、教え方のコツをご紹介しています。

メモ

この記事は「疑問詞の教え方シリーズ」の第6回です。先に第1回をご覧になれば、今回の内容がよりわかりやすくなるかと思います。

第1回 子どもがつまずく原因と対策

第2回 疑問詞の後ろにdo, doesが来るパターン

第3回 疑問詞の後ろにbe動詞が来るパターン

第4回 Where do ~?とWhere is ~?などの使い分け

第5回 What time ~?やHow many ~?など

第6回 疑問詞を使った疑問文への答え方(この記事)

今回のトピックは〈疑問詞を使った疑問文〉への答え方です。

英語(または勉強全般)が苦手な子どもたちに向けた教え方をくわしくお伝えしますね。

「答え方のポイント」を教える

〈疑問詞を使った疑問文〉に答えるにはポイントが2つあります。それを子どもたちに説明しましょう。

ポイント1. 具体的に答える

ポイント2. 主語を he や it などに置き換える

1. 具体的に答える

まず子どもに教えるのは「Yes/Noで答えない。具体的に答える」という点です。


〈教え方の例〉

今回は、次のような〈疑問詞を使った疑問文〉への答え方を学習しよう。

Where do you live?
Who is the boy?

今までは、疑問文に答えるときに Yes や No を使ったね。

けれども、疑問詞を使って質問された場合、Yes や No で答えることはできない。Yes や No を使うと、話がかみ合わなくなるんだ。

話がかみ合っていない↓

A: Where do you live?
B: Yes, I do.

A: あなたはどこに住んでいますか。
B: はい、そうです。

「どこに」と質問されたのに「はい/いいえ」で答えたら、質問した人は「……えっ?」ってなるよね。

困惑した男性

ではどう答えればいいのかと言うと、具体的に答える。くわしい情報を教えるんだ。

A: Where do you live?
B: I live in Kyoto.

A: あなたはどこに住んでいますか。
B: 私は京都に住んでいます。

「どこに」と聞かれたから、たとえば「京都に」と具体的に答える。

このように、疑問詞を使って質問されたら、「具体的に答える・くわしい情報を教える」というのが大事だよ。


上のように、まず「Yes/Noで答えない。具体的に答える」という点を説明します。

そのあと、答え方の例を挙げていきましょう。


〈教え方の例〉

「具体的に答える・くわしい情報を教える」には、疑問詞をよ~く見よう。疑問詞を見れば「質問者が知りたがっていること」がわかるよ

(例1)
Where do you practice soccer?
あなたはどこでサッカーを練習しますか。

質問者が知りたいのは〈Where どこで〉ということ。なので、答えるときには「どこで」という「場所」の情報を教えてあげよう。

A: Where do you practice soccer?
B: I practice at school.

(例2)
When do you practice soccer?
あなたはいつサッカーを練習しますか。

質問者が知りたいのは〈When いつ〉ということ。なので、答えるときには「放課後」「日曜日」など、「いつ」という情報を教えよう。

A: When do you practice soccer?
B: I practice on Sundays.

(例3)
How many cats do you have?
あなたはネコを何匹飼っていますか。

(例3)の場合、〈How〉という疑問詞だけではなく、〈How many cats〉というカタマリ全体に注目しよう。

〈How many 〇〇〉というカタマリは、「いくつの〇〇」と数をたずねるときの表現だったね。

質問者が知りたいのは〈How many cats 何匹のネコ〉ということ。なので、答えるときには「数」を教えてあげよう。

A: How many cats do you have?
B: I have two.


説明のあとは、下のような練習問題(選択問題)に取り組んでみてください。

その際、正解でも不正解でも「なぜその答えを選んだのか」という解答の根拠を子どもにたずねるのがおすすめです。

そうすれば子どもの理解度を把握できますし、何より子どもにとって「論理的に考えながら解く練習」になりますよ。

メモ

「解答の根拠をたずねること」の重要性について、さらにくわしく知りたい方は「「どうして?」と質問する」をご覧ください。

次の疑問文への答えとして最も適切なものを、ア~ウから選びなさい。

1. When do you study?
ア No, I don’t.
イ I study English.
ウ I study after dinner.

2. What time do you eat breakfast?
ア I eat yogurt.
イ I eat at 6:30.
ウ Yes, I do.

【解答】
1. ウ
2. イ

2. 主語をheやitなどに置き換える

「答え方のポイント」の2つ目は「主語を he や it などに置き換える」です。

たとえば疑問文の主語が Mr. Mori の場合、答えるときは人称代名詞の he に置き換えますよね。

「置き換える」というルールは、(疑問詞の単元に入る前に)すでに学校で習っています。ですが、人称代名詞(特に it や they)の使い方がよくわかっていない子も少なくありません。

そこで、改めて説明しておくことをおすすめします。


〈教え方の例〉

疑問文に答えるときには、主語を別の単語に置き換えよう。

A: Who is Mr. Mori?
B: He is our music teacher.

どんな単語に置き換えるかは、主語によって決まるよ。

人称代名詞

(例1)
A: What is this?
B: It is a present for you.
(It’s a present for you.)

上の疑問文にある〈this〉は、何かモノを指している。つまり「人以外で単数」なので、答えるときには it に置き換えよう。

(例2)
A: How is the weather?
B: It is sunny.
(It’s sunny.)

〈the weather〉は「人以外で単数」なので、答えるときには it に置き換えよう。

(例3.)
A: What do your cats eat?
B: They eat fish.

〈your cats〉は「複数」なので、答えるときには they に置き換えよう。


ここまでのポイント(下記)をおさらいしたあと、練習問題に取り組んでみてください。

疑問詞を使った疑問文への答え方

●具体的に答えるくわしい情報を教える(Yes/Noは使わない)
→疑問詞を見れば「質問者が知りたがっていること」がわかる。

●主語を置き換える

次の疑問文への答えとして最も適切なものを、ア~ウから選びなさい。

1. Who is Ms. Mori?
ア No, she isn’t.
イ She is in the music room.
ウ She is our music teacher.

2. How much is this?
ア It’s 100 yen.
イ It’s 6:30.
ウ Yes, it is.

3. What is that?
ア It’s a new library.
イ It’s in Osaka.
ウ Yes, it is.

【解答】
1. ウ
2. ア
3. ア

「短く答える方法」を教える

〈疑問詞を使った疑問文〉に答えるとき、主語と動詞を省くことがありますよね。

A: Where do you live?
B: In Kyoto.

このような省略した答え方は、教科書や問題集によく出てきます。子どもたちにも説明しておきましょう。


〈教え方の例〉

次は〈短く答える方法〉というのを見ていこう。

たとえば日本語で「あなたはどこに住んでいますか」と聞かれたら、「私は京都に住んでいます」などと答えるよね。

でも「京都です」と短く答えても、ちゃんと意味は通じる。

A: あなたはどこに住んでいますか。
B: 京都です。

これと同じように、英語でも短く答えることができるよ。

A: Where do you live?
B: In Kyoto.

”I live in Kyoto.”の代わりに、”In Kyoto.”と短く答えてもいいんだ。

〈I live〉がなくても、話の流れから意味はわかる。だからBさんは〈I live〉を省略して、〈In Kyoto〉とズバッと答えているんだよ。

「短い答え」の例

このように、疑問詞を使って質問されたら、短く答えることができるよ。

短く答えるときのポイント

●わかりきっていることは省略する
●質問者が知りたがっていることをズバッと教える

短く答える例をあと2つ見てみよう。

(例)
A: How do you come to school?
(あなたはどうやって学校へ来ますか)
B: By bus.
(バスで来ます)

Bさんの答えは、”I come by bus.”を短くしたものだよ。

“by bus”(バスで)、”by train”(電車で)など、by を使うと方法(手段)を表すことができる。

(例)
A: What time do you get up?
(あなたは何時に起きますか)
B: At seven.
(7時です)

Bさんの答えは、”I get up at seven.”を短くしたものだよ。わざわざ〈I get up〉と言わなくても、話の流れから意味はわかるよね。


「短く答える方法」を説明したあとは、下のような練習問題に取り組んでみてください。

1~5の質問に対する答えとして最も適切なものを、ア~オから選びなさい。

【ヒント】「質問者が知りたがっているのは何か?」をよく考えよう。

1. When do you study English?
2. Where is your brother?
3. How do you come to school?
4. What subject do you like?
5. Who is that boy?

ア He is my brother.
イ By bus.
ウ After school.
エ He is in the park.
オ English.

【解答】
1. ウ
2. エ
3. イ
4. オ
5. ア

会話文を完成させる問題

問題集には、下のような〈会話文を完成させる問題〉がよく出てきます。

下線部に適切な語を入れて、会話文を完成させなさい。

A: _ do you study?
B: I study after dinner.

Bさんの返事をもとに質問の内容を推測する、という問題ですね。

なぜ子どもにとって難しいのか?

質問の内容を推測するという問題は、子どもたちにとって簡単ではありません。

というのも、ふだんの生活では「答え(返事)を手掛かりにして、質問を推測する」という機会がないからです。

ふだんは、質問されたことに対して答えを考えます。

ふだんの思考プロセス

一方、先に挙げた〈会話文を完成させる問題〉では、答えからさかのぼって質問を推測します。

会話文問題での思考プロセス

思考のプロセスがふだんとは逆になっています。しかも、これを外国語でしないとならないのです。子どもが苦戦するのもムリはありません。

そこで、まずは日本語で書かれた会話文を使って、問題の解き方を教えましょう。英語の問題に入る前に、日本語でウォーミングアップをする、というわけです。

日本語でウォーミングアップ

子どもによっては、日本語の問題は簡単すぎるかもしれません。が、解き方の理屈を学ぶときは、問題は簡単すぎるくらいがちょうどいいですよ。


〈教え方の例〉

英語の問題に入る前に、ウォーミングアップをしよう。日本語で問題を出すよ。

次の会話を成り立たせるには、( )にどんな言葉を入れたらよいですか。

A: ( )あなたは勉強しますか。
B: 私は図書館で勉強します。

まず、Aさんの質問に注目しよう。Aさんは「Bさんが勉強する」ということを話題にしているね。

次はBさんの返事に注目しよう。

「私は」「勉強します」
→ この部分は、Aさんがすでに話題にしている。Aさんにとって新しい情報ではない。

対話分析1

「図書館で」
→ Aさんの質問の中に「図書館で」という情報は含まれていない。「図書館で」は、Bさんが新しく教えてあげた情報ということだね。

対話分析2

「図書館で」は、「どこで」という場所を表している。Bさんは「どこで」という情報を教えてあげたんだ。

ということは、Aさんが知りたかったのは「どこで」ということになる。なので、( )には「どこで」という言葉が入るよ。

対話分析3

このように、Bさんの返事に注目すれば、「Aさんが知りたかったことは何か」「Aさんがどんな言葉を使ったか」がわかるよ。


解き方の手順をまとめると、こうなります。↓

Bさんの返事に注目する。

「Bさんが新しく教えてあげた情報は何か」を考える。

その情報をもとに、「Aさんがどんな言葉を使ったか」を考える。

英語の問題にチャレンジ

日本語でのウォーミングアップが済んだら、英語の問題の解き方を説明していきましょう。


〈教え方の例〉

次は英語の問題に挑戦しよう。解き方は、さっきの日本語の問題と同じだよ。

次の会話が成り立つように、( )に適切な疑問詞を入れなさい。

A: ( )do you study English?
B: I study it after dinner.

Aさんは何を知りたかったのか? それを考えるには、Bさんの返事に注目しよう。

〈I study it〉(私は英語を勉強します)
→「Bさんが英語を勉強する」という話は、Aさんの質問の中にすでに出てきている。

〈after dinner〉(夕食のあと)
→Aさんの質問の中に〈after dinner〉という情報はない。〈after dinner〉は、Bさんが新しく教えてあげた情報だね。

対話分析4

Bさんが教えてあげた「夕食のあと」という情報は、「いつ」を表している。「英語を勉強するタイミングはいつなのか」ということだね。

ということは、Aさんが知りたかったのは「いつ」ということになる。なので、( )には〈When〉が入るよ。

対話分析5

「返事をもとに質問を推測する」という文法問題は、慣れるまでに時間がかかると思います。あせらずに、じっくり取り組んでみてくださいね。

次の会話を成り立たせるには、( )にどんな疑問詞を入れればよいですか。□の中から選びなさい。

What / Who / When / Where / How

1.
A: ( )do you play basketball?
B: I play on Sundays.

2.
A: ( )do you play basketball?
B: I play in the gym.

3.
A: ( )is Miki?
B: She is my sister.

4.
A:( )is this?
B: It is a present for you.

5.
A: ( )much is this?
B: It is 100 yen.

【解答】
1. When
2. Where
3. Who
4. What
5. How

まとめ

今回は〈疑問詞を使った疑問文〉への答え方を取り上げました。

この記事でカバーしたのは、ごく基礎的な疑問文と、その答え方です。

英語(あるいは勉強全般)が苦手な子に教える場合、まずはこのくらい基礎的なことにフォーカスしたほうが、子どもが理解しやすくなると思います。

子どもたちには、つい、あれもこれも教えてあげたくなりますよね。でも、「たくさん教えれば教えるほどよい」というものでもありません。

子どもの習熟度に合わせて、教える内容をしぼってみてくださいね。

〈疑問詞の教え方シリーズ〉(全6回)は、今回でおしまいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。