勉強が苦手な中学生に、接続詞 when, if, because をどう教えればいいか? そのコツをご紹介します。
「接続詞 when, if, because を使うときに、どうやって文を組み立てればいいのかがわからない」「接続詞のある文をうまく日本語に訳せない」という子に教えるときの参考にしてみてください。
この記事では、次の3つについてお伝えしますね。
- よくある間違いと、その原因
- when の教え方
- if と because の教え方
よくある間違いと、その原因
接続詞 when, if, because の単元で、よくある間違いは何か? その原因は何か? まずは、それを見ていきましょう。
よくある間違いは、次の2つです。
よくある間違い 1
英文を日本語に訳すときに、次のように誤った解釈をすることがあります。
I use a dictionary when I study English.
(間違い)私は辞書を使うとき、英語を勉強する。
He went to bed early because he was tired.
(間違い)彼は早く寝たので、疲れていた。
間違いの原因は?
訳し方を間違えるのは、文の構造を意識していないからです。文の構造とは、要するに、「どんなカタマリが組み合わさって、文ができているのか」ということです。
接続詞 when, if, because を使った文は、下のように2つのカタマリからできています。
ですが、このようなカタマリを意識していない子は、文の意味を単語単位で追ってしまいます。
たとえば文頭から順に、I「私は」→ use「使う」→ a dictionary「辞書」→ when「とき」、と意味を追っていくのです。
そして、「……あっ、“私は辞書を使うとき”っていう意味だ」というような、誤った解釈をします。
このように、単語単位で文と向き合ってしまい、意味のカタマリを意識できないと、接続詞は正しく使えません。
よくある間違い 2
英作文をするときに、次のような間違った英文を作ることがあります。
あなたが忙しいなら、私たちが手伝いましょう。
(間違い)You are busy if we will help you.
(間違い)If we will help you, you are busy.
if の後ろに来るべき文は、「あなたが忙しい」なのか? それとも「私たちが手伝いましょう」なのか? それがわかっていない子は、上のように間違えてしまいます。
間違いの原因は?
では、なぜ「接続詞の後ろに来るべき文」がわからないのか? それは、「接続詞の使い方について、抽象的な言葉で説明されることが多いから」だと考えられます。
勉強が苦手な子にとって、次のような抽象度の高い解説を理解するのは、簡単なことではありません。
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〈when A〉で、「Aのとき」という意味。
〈When A, B.〉 または 〈B when A.〉で、「Aのとき、B」という意味。
A と B には、それぞれ〈主語+動詞〉で始まる文が入る。
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A や B という“記号”そのものには、本来、何か意味があるわけではありません。
そのため子どもによっては、〈When A, B.〉や〈B when A.〉がどんなことを表しているのか、イメージしにくいのです。
また、「どういう場合に、A が B より前に来たり、後ろに来たりするのか」がわからない子もいます。〈When A, B.〉や〈B when A.〉という“公式”を読み解けないのです。
このように抽象度の高い解説を理解できない子は、接続詞の使い方を間違えてしまいます。
接続詞 when の教え方
では、勉強が苦手な子に、接続詞 when, if, because をどう教えればいいのか? 教え方は基本的に3つとも同じです。ここでは、when を例に挙げて説明しますね。
教えるときのポイントは2つあります。
- 「文がどのようなカタマリからできているか」を意識させる
- 「それぞれのカタマリに、どんな意味があるのか」を意識させる
このポイントを踏まえながら、下の順番で教えます。
- 日本語の例文を使って、文の仕組みを教える
- 英文の作り方を説明する
1. 日本語の例文を使って、文の仕組みを教える
日本語の例文を使いながら、文を構成するカタマリについて子どもに説明します。たとえばこんな感じです。
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「……のとき、〇〇する」とか「……のとき、〇〇だ」といった文を作ろう。
(例)私は英語を勉強するとき、 辞書を使う。
この文は、2つのカタマリに分かれているよ。ひとつ目は、〈私は英語を勉強するとき〉。つまり、〈どんなとき〉を表しているカタマリだよ。
もし、このカタマリだけで文が終わったら、中途半端だよね。「で、何なの?」と、話の結末を知りたくなる。そこで、〈話の結末〉を書こう。この結末というのが、ふたつ目のカタマリなんだ。
このように、「……のとき、〇〇する・〇〇だ」という文は、
- 〈どんなとき〉
- 〈話の結末〉
という2つのカタマリからできているよ。
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まずは、上のように日本語の例文を使って、文の仕組みを教えます。
勉強が苦手な子にとって、文の仕組みというのは、(大人が思う以上に)複雑なものでしょう。ですので、いきなり英文を使って説明するより、いったん日本語の例文を使って説明したほうが、理解しやすいと思います。
2. 英文の作り方を説明する
文の仕組みを教えたら、次は、英語で文を作っていきます。たとえば、こんな感じで説明してみてください。
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(例)私は英語を勉強するとき、 辞書を使う。
まず〈私は英語を勉強するとき〉というカタマリを英語にしよう。英語の場合、「とき」(when)と言ったあと、「私は英語を勉強する」という文を続けるよ。文は〈主語+動詞〉で書き始めよう。
〈When I study English〉は、〈どんなとき〉を表すカタマリだね。これだけだと中途半端で話が成り立たないから、結末を書こう。結末の文も、〈主語+動詞〉で書き始めるよ。
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ここまで教えたら、いったん、「〈どんなとき〉→〈話の結末〉」というカタマリの順で文を作る練習をさせてみてください。
「〈話の結末〉→〈どんなとき〉」という順になることもある、という説明は後回しにします。一度にあれもこれも教えると、勉強が苦手な子は「話のキモは何か」がわからなくなるからです。
ですので、練習問題をさせて「子どもが説明を理解したかどうか」を確認するのが大事です。
練習問題が終わったら、下の説明を続けてくださいね。
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英語の場合、〈話の結末〉を先に書くこともできるよ。〈話の結末〉が先に来た場合でも、文全体の意味は変わらないんだ。
〈話の結末〉を先に書く場合、文中にコンマはつけないよ。
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このような説明なら、抽象度がそれほど高くないため、理解しやすいのではないでしょうか。
説明したあとは、また練習問題をさせてください。習ったこと(=インプットしたこと)を身につけるには、実際に文を作ってみる(=アウトプットする)のが一番です。
接続詞 if と because の教え方
if や because を教えるときのポイントも、when のときと同じです。
- 「文がどのようなカタマリからできているか」を意識させる
- 「それぞれのカタマリに、どんな意味があるのか」を意識させる
このセクションでは、「if や because を使った文が、どんなカタマリからできているか」にフォーカスしてお話しますね。教えるときの手順については、上にある when のセクションを参考にしてください。
if の場合
「もし……なら、〇〇する・〇〇だ」という文を構成するカタマリは、〈もし……なら〉と〈話の結末〉です。
このような日本語の例文を使って文の仕組みを教えたあと、英文の作り方について説明してください。英語の場合、文の仕組みは次のようになります。
because の場合
「……なので、〇〇する・〇〇だ」という文を構成するカタマリは、〈……なので〉と〈話の結末〉です。
英語の場合、次のようになります。
このように、「文がどんなカタマリからできているか」をはっきり示せば、勉強が苦手な子も接続詞を理解しやすくなると思います。
以上、接続詞 when, if, because の教え方についてお伝えしました。どれか使えそうなアイデアがあったら、試してみてくださいね。