Do you~? と Are you~? の違いがわからない子に、どうやって使い分け方を教えればいいのか? どう教えれば子どもが試験問題を解けるのか?
そうお悩みの方に、教えるときのコツをご紹介します。
この記事で取り上げるのは、試験対策としての「使い分けのテクニック」です。
理想を言えば、子どもには「一般動詞の文」と「be動詞の文」の本質的な違いからじっくり説明したいものですよね。
けれども、その違いを子どもが理解するには時間がかかるので試験には間に合わない、ということもあります。そこで、ひとまず試験対策としてテクニックを教えるのも、ひとつの手です。
中学生に教えるときの参考にしてみてください。
ウォーミングアップ
この記事で取り上げるテクニックを使うには、「一般動詞とは何か」を知っておく必要があります。
もしお子さんが一般動詞の意味を理解していない場合、ウォーミングアップとして「一般動詞とは何か」を教えてあげてください。
〈一般動詞とは?〉
●一般動詞は、動作(動き)を表す言葉。
(例) eat(食べる)read(読む)go(行く)speak(話す)
●like(好きだ)know(知っている)live(住んでいる)といった単語には、「目に見える動作(動き)」はない。けれども、こういう単語も一般動詞に含まれる。
テクニック1 選択問題編
(例題)
( ) から適切な語を選びなさい。
( Do / Are ) you play soccer?
選択問題を解くテクニックは、進行形を習っているかどうかで少し異なります。
テクニック
進行形を習っていない子向けテクニック
you の後ろに注目する。
● you の後ろが一般動詞
→ Do you を使う
● you の後ろが一般動詞でない
→ Are you を使う
進行形を習った子向けテクニック
you の後ろに注目する。
● you の後ろが〈一般動詞の原形〉
→ Do you を使う
● you の後ろが〈一般動詞の原形〉でない
→ Are you を使う
「原形」の意味を知らない子には、「もとの形。s や ing などがつかない形」と教えてあげてください。
練習問題の例
上のテクニックを使って、問題を3つ解いてみますね。
問題1
( Do / Are ) you play soccer?
you の後ろに注目します。play は一般動詞(一般動詞の原形)です。よって Do you を使います。
問題2
( Do / Are ) you hungry?
you の後ろに注目します。hungry は、一般動詞(一般動詞の原形)ではありません。よって Are you を使います。
問題3
( Do / Are ) you studying math?
you の後ろに注目します。studying は、〈一般動詞の原形〉ではありません。よって Are you を使います。
テクニック2 英作文問題編
英作文問題も、選択問題とほとんど同じやり方で解けます。
(例題)あなたは忙しいですか。
手順1
Do you ~? と Are you ~? の文を両方書いてみます。
Do you busy?
Are you busy?
実際にどちらも書いてみる、というのがポイントです。
どちらが正しいのかを頭の中だけで考えると、ゴチャゴチャしてきます。そこで、書いたものを見比べながら考えるようにするのです。すると、頭をずいぶん整理しやすくなります。
手順2
you の後ろに注目します。選択問題と同じテクニック(下に再び記載)を使って、Do you か Are you を選びます。
進行形を習っていない子向けテクニック
you の後ろに注目する。
● you の後ろが一般動詞
→ Do you を使う
● you の後ろが一般動詞でない
→ Are you を使う
進行形を習った子向けテクニック
you の後ろに注目する。
● you の後ろが〈一般動詞の原形〉
→ Do you を使う
● you の後ろが〈一般動詞の原形〉でない
→ Are you を使う
Do you busy?
Are you busy?
→ you の後ろにある busy は、一般動詞(一般動詞の原形)ではありません。よって Are you busy? を選びます。
練習問題の例
上のテクニックを使って、英作文問題を1つ解いてみましょう。
(例題) あなたは今、数学を勉強しているところですか。
Do you ~? と Are you ~? の文を両方作ってみます。
Do you studying math now?
Are you studying math now?
you の後ろに注目します。studying は〈一般動詞の原形〉ではありません。よって、Are you studying math now? を選びます。
ふつうの文を作ってから訳す、という方法には注意
英作文の問題では、「ふつうの文(平叙文の肯定文)を自分で作ってから、それを疑問文になおす」という方法もあります。
ですが、この方法には注意が必要です。というのも、Do you~? と Are you~? の違いがわからない子は、次のような文を書くことがあるからです。
× You are play soccer.
この文をもとに疑問文を作ると、子どもはおそらく下のように書いてしまうでしょう。
× Are you play soccer?
ふつうの文を正しく作れる子であれば、「ふつうの文を自分で作ってから、疑問文にする」という方法は有効です。けれども、そもそもふつうの文を正しく作れない場合は、注意が必要です。
テクニック3 書き換え問題編
(例題) 疑問文にしなさい。
(1) You live in Nagoya.
(2) You are from Osaka.
(3) You are watching TV.
テクニック
ふつうの文を疑問文に書き換える問題でも、まずは you の後ろに注目します。
疑問文への書き換え
you の後ろに注目する。
● you の後ろが一般動詞
→ Do you を使う
You live in Nagoya.
→ Do you live in Nagoya?
● you の後ろが are
→ you are をひっくり返して are you にする
You are from Osaka.
→ Are you from Osaka?
You are watching TV.
→ Are you watching TV?
あまりオススメしない教え方
下のような「一般動詞の文の場合…」「be動詞の文の場合…」という説明の仕方は、あまりオススメしません。
オススメしない教え方
● 「一般動詞の文」の場合、Do you を使う
●「be動詞の文」の場合、you are をひっくり返して are you にする
Do you~? と Are you~? の違いがわからない子は、「一般動詞の文」「be動詞の文」という概念をまだ理解していません。
そのため、「一般動詞の文の場合……」「be動詞の文の場合……」と言われても、問題文のどこに注目すればいいのかが、わからないのです。
そこで、具体的に「you の後ろに注目する」と教えることをオススメします。
もちろん、長期的には「一般動詞の文」と「be動詞の文」の根本的な違いを教える必要があります。
けれども、ひとまず目の前の試験問題を解けるようにするには、シンプルなテクニックを教えることも現実的な対処法です。
まとめ
試験問題を解くとき、Do you~? と Are you~? をどのように使い分けるか? そのテクニックをご紹介しました。
選択問題、英作文問題、書き換え問題のいずれにおいても、「you の後ろに注目する」というのがポイントです。
このテクニックを教えつつ、長期的には「一般動詞の文」と「be動詞の文」の本質的な違いを教えていくのが、現実的だと思います。よかったら実践してみてくださいね。
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今回ご紹介する3種類の中では、勉強が苦手な子にとって、最も取り組みやすい練習問題だと思います。
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「それぞれの問題集の良い点・注意点をくわしく知りたい」という方は、下の記事をチェックしてみてください。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。